歯科医院・・・・・痛い!!

歯科医院では一日の患者数のおよそ2割程度急患が来院します。その中の1人か2人は、その場ではどうにもならないような痛みをもち、その日は鎮痛剤や抗生剤などで症状を軽くさせて、翌日本格的な治療を行います。どうしてその時に治療ができないのか? それはその時は口もあまり開けることができない上、麻酔が殆ど効かないからです。

 先日、前日より歯の痛みで一睡も出来なかったという初診の患者さんから電話がかかりました。すぐに来院してもらい痛みのために口が開けられないのを耐えていただきながら診察すると、患部の歯の周囲は腫れあがり、膿が滲み出ている状態でした。顔は目の下まで腫れあがるといった具合でした。何か自分に感染してしまうのではないかと思いつつ、レントゲンを撮りました。歯肉炎が歯の根の先まで進行してしまい、その菌が歯の神経まで感染してしまっていたのです。少しでも触ると飛び上がるくらいの痛みがあり、麻酔も全く効きませんでした。当日は歯茎を切開して膿を出し、内服薬で症状の軽減をはかりました。翌日、抗生剤の効果があってか多少痛みが緩和されていたため抜歯を行いましたが、本人の話では前日出された鎮痛剤はあまり効果はなかったそうです。

 歯科医院に来院される急患は、歯や歯茎・顎が痛いなどの他に、入れ歯が割れてしまった・入れ歯があたる・詰め物が取れた・歯が折れた等があります。歯や歯茎が痛むこと以外は緊急性はそれほどでもなく、1日か2日ぐらいは我慢していただけます。しかし歯や歯茎が痛むといった症状でも、急性の場合患者さん本人としては一刻でも早く痛みから解放してほしいと思うぐらいの辛さがあります。ところがその様な激痛の症状では殆どの場合、口が開かないぐらい腫れてしまって患部を診ることができなかったり、たとえ口が開けられても麻酔が効きません。どうしても処置をしなければならない時は、麻酔の量や方法を変えて強引に行います。それでも数分の間麻酔が効けば良いのですが、効かない場合痛みは半端ではないそうです。もう少し早く来ていただけたら治療中の痛みは最小限ですみますし、麻酔や鎮痛剤も良く効きます。

 歯の痛みは、突然来るものではありません。多くの場合しみる・噛むと痛い・浮いた感じがするなどの症状が以前からあります。また激痛のある場合、大抵はその歯に大きな穴(虫歯)があったり歯が汚れてグラグラになっていたりします。激痛を伴う急患の患者さんは数日あるいは数ヶ月前から多少痛いといった自覚症状があり、それを無視したり我慢しながら生活をしており、いよいよ限界という時に来院されます。現在の歯科治療は無痛治療が当然となっており、麻酔を使うのはもちろん設備の良いところではレーザー治療などといった方法を行うなど、痛みに対して非常に敏感です。何か違和感を覚えたら一度診察を受ける、このことが痛みの少ない治療を受けることができる秘訣(!?)ではないでしょうか。


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